【保存版】ニキビに効く成分一覧|タイプ別・主要成分まで完全解説

「ニキビに良いとされる成分が多くて、どれを選べばいいか分からない」と悩んでいる方もいるではないでしょうか。

実際、ニキビには複数のタイプがあり、効果的な成分もタイプごとによって異なります。

この記事では、ニキビのタイプ別、皮膚科治療で有効な成分、そしてスキンケアに取り入れたい成分をご紹介いたします。ぜひ最後までご覧ください。

ニキビのタイプ別おすすめ成分


ニキビのタイプによっておすすめの成分があります。ここでは、白ニキビ・黒ニキビ・赤ニキビ・黄ニキビそれぞれにおすすめの成分をご紹介します。

炎症を起こしていないニキビ

白ニキビ(閉鎖面ぽう)

白ニキビとは毛穴の入口が皮脂や角質でふさがれている状態です。炎症はなく、皮膚の表面に小さなポツポツが見えます。

白ニキビのおすすめの成分は、皮脂をコントロールしたり、角質を整え毛穴のつまりを防ぐ、過酸化ベンゾイル、アダパレン、サリチル酸、アゼライン酸、ナイアシンアミドなどです。

黒ニキビ(開放面ぽう)

黒ニキビは毛穴の入口が開き、詰まった毛穴や皮脂が酸化して黒く見える状態です。白ニキビと同様に炎症はありません。

黒ニキビにおすすめの成分は、白ニキビと同じく皮脂をコントロールしたり、角質を整えて毛穴の詰まりを防ぐ、過酸化ベンゾイル、アダパレン、サリチル酸、アゼライン酸、ナイアシンアミドなどです。

炎症を起こしているニキビ

赤ニキビ

赤ニキビは毛穴にたまった皮脂を栄養にアクネ菌が増殖し、炎症が起きている状態です。腫れ、熱感、赤み、痛みなどを伴います。

赤ニキビのおすすめの成分は、炎症を抑える作用のある過酸化ベンゾイル、アダパレン、抗生物質(外用)、抗菌薬(内服)、アゼライン酸などです。

黄ニキビ

黄ニキビは赤ニキビが進行し、中心部に膿が溜まった状態です。腫れ、熱感、赤み、痛みなどが強くなります。

黄ニキビにおすすめの成分は、過酸化ベンゾイル、アダパレン、抗生物質(外用)、抗菌薬(内服)、アゼライン酸などです。

赤ニキビとほとんど同じですが、より強い抗炎症・抗菌作用のあるアプローチが必要です。

ニキビに有効な主要成分(皮膚科治療)


皮膚科治療でニキビに有効とされる成分をご紹介します。

①過酸化ベンゾイル(べピオ・エピデュオ)

過酸化ベンゾイルは、アクネ菌に対する抗菌作用があり、炎症や角化異常を改善する効果があります。耐性菌ができにくいため、長期間使用できる点が大きな利点です。

【副作用】

赤み、乾燥、ヒリヒリ感などの刺激感

【禁忌】

べピオは妊娠中、授乳中も使用できますが、エピデュオはアダパレンが配合されているため、妊娠中・授乳中の方は使用できません

【ガイドライン】

白ニキビ・黒ニキビ、赤ニキビ、寛解維持において(症状が治まった状態)推奨度A(強く推奨)

②アダパレン(ディフェリン・エピデュオ)

アダパレンはビタミンA誘導体に似た構造を持つ成分です。異常な角化を抑えて毛穴の詰まりを改善し、角層を整える作用があります。

耐性菌ができないため、過酸化ベンゾイル同様、長期使用が可能です。また、メラニン排出を促す作用もあり、ニキビ跡の黒ずみ改善にも一定の効果が期待されます。

【副作用】

乾燥、赤み、ヒリヒリ感、かゆみ

【禁忌】

妊娠中、授乳中の方

【ガイドライン】

白ニキビ・黒ニキビ、赤ニキビ寛解維持(症状が治まった状態)すべてにおいて、推奨度A(強く推奨)

③抗生物質の外用薬

ナジフロキサシン(アクアチムクリーム)、クリンダマイシン(クリンダマイシンリン酸エステルゲル1%)

アクネ菌やブドウ球菌などに抗菌作用を発揮し、菌の繁殖を抑えます。これにより、炎症を伴う赤ニキビや膿をもった黄ニキビの改善を促します。

ただし、耐性菌の問題から長期使用は推奨されません。

【副作用】

かゆみ、発赤、つっぱり感、刺激感、かぶれ

【禁忌】

アクアチムクリームの禁忌は特にありませんが、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与します。

クリンダマイシンの禁忌は、リンコマイシン系に対し過敏症の既往歴のある方です。

【ガイドライン】

炎症性皮疹において推奨度A(強く推奨)

ゼビアックス(ゼビアックスローション2%、ゼビアックス油性クリーム2%)

アクネ菌に対して強い抗菌作用を発揮し、菌の繁殖を抑えます。炎症性ニキビに有効とされています。

【副作用】

乾燥、刺激感、紅斑、かゆみ、ほてり

【禁忌】

オゼノキサシンに対し過敏症の既往歴のある方

【ガイドライン】

炎症性皮疹において推奨度A(強く推奨)

④内服の抗菌薬

ビブラマイシン、ミノマイシン、ルリッド

赤ニキビ〜黄ニキビの数が多い場合、塗り薬だけでは不十分な場合に使用します。抗炎症作用+抗菌作用により赤ニキビの炎症を抑えます。

【副作用】

・ルリッド:肝機能異常、湿疹、胃部不快感など

・ビブラマイシン:食欲不振、悪心・嘔吐など

・ミノマイシン:めまい感、悪心、食欲不振、腹痛、嘔吐など

【禁忌】

・ルリッド:ルリッド錠に対して過敏症の既往歴のある方。また、エルゴタミン系の併用・ビブラマイシン:テトラサイクリン系に対し過敏症の既往歴のある方

・ミノマイシン:テトラサイクリン系に対し過敏症の既往歴のある方

【ガイドライン】

ルリッド:炎症性皮疹において推奨度B(推奨)

ビブラマイシン:炎症性皮疹において推奨度A(強く推奨)

ミノマイシン:炎症性皮疹において推奨度A*(推奨)

⑤ビタミンA誘導体(イソトレチノイン内服)

ビタミンA誘導体の経口薬です。皮脂の分泌を抑え、毛穴の詰まりを改善し、炎症を和らげることで、ニキビの主な原因にアプローチします。重度ニキビや難治性ニキビに有効な治療ひとつとされています。

ある臨床試験では、嚢胞性ざ瘡の患者にイソトレチノイン治療を行ったところ、95〜98%の改善が確認され、治療後も平均して38ヶ月にわたり維持できたと報告されています。

米国では40年以上にわたり使用されており、FDA(アメリカ食品医薬品局)にも正式に承認を受けています。日本では未承認薬で、自費治療となります。

【副作用】

催奇形性、皮膚や粘膜の乾燥、頭痛、関節痛、筋肉痛、骨痛など

【禁忌】

妊娠予定のある方・妊娠中・授乳中(女性は最後の服用から1ヶ月は避妊をしてください)、12歳未満

【当院での費用】

イソトレチノイン(イソトロイン)20mg/日 30日分 16,500円(税込)

ニキビにおすすめの成分(スキンケア)

ここではニキビケアでよく使用されているスキンケア成分をご紹介します。

正しい治療と適切なスキンケアを組み合わせることで、より早く健やかな肌へと近づくことができます。

①アゼライン酸

アゼライン酸は、小麦やライ麦などの穀物に含まれている天然由来の飽和ジカルボン酸の一種です。海外では主にニキビや酒さの治療薬として30年以上使用されており、アメリカやヨーロッパを中心に世界80ヵ国で承認されています。

一方、日本では未承認医薬品に分類され、化粧品やドクターズコスメの成分として使用されています。ニキビのどの段階でも使用できて、副作用が比較的少ないです。妊娠中や授乳中でも使用でき、安全性も高く長期的に使用できる成分です。

アゼライン酸は皮脂分泌をコントロール、角質調整作用、赤みをケアする作用、メラニン抑制作用があるため、ニキビの赤みが気になる方におすすめです。

アゼラインに関して詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

②サリチル酸

サリチル酸は、毛穴に詰まった皮脂や古い角質を溶かして取り除く、角質溶解作用があり、ニキビの予防に役立ちます。

しかし、サリチル酸配合のスキンケアを過度に使用すると、バリア機能の低下や、刺激によりニキビの症状を悪化させる可能性があるため、適切な使用が大切です。

③ナイアシンアミド

ナイアシンアミドは、皮脂分泌をコントロール、赤みをケアする作用、バリア機能維持などの作用で、ニキビの予防に役立ちます。また、美容効果としては美白やシミ予防、シワ改善など様々な効果が期待できる成分です。

ナイアシンアミドについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

ニキビに効果が期待できるアゼライン酸配合のベーシックケアAZシリーズ

ベーシックケアAZシリーズは、アゼライン酸やアゼライン酸誘導体を配合した低刺激処方のスキンケアシリーズです。敏感肌・乾燥肌・脂性肌・混合肌など、肌タイプを問わずお使いいただけます。

日本皮膚科学会認定の皮膚科専門医・野田真史医師が開発したドクターズコスメで、着色料・香料・シリコン・鉱物油・アルコールを使用しない5つのフリー処方です。

ベーシックケアAZクリーム

ニキビ治療薬としても使用されるアゼライン酸20%を配合。ニキビやコメド(毛穴の詰まり)の改善だけでなく、予防ケアとしても効果が期待できます。

さらに、アゼライン酸とナイアシンアミドが皮脂をコントロールします。Tゾーンやあご周りなど、皮脂が出やすい部分のポイントケアにもおすすめです。

また、ニキビ跡の色素沈着にもアプローチできます。従来のニキビ用スキンケアで刺激を感じやすい方や、妊娠中・授乳中の方にもご使用いただけます。

【使い方】

洗顔→化粧水→美容液→乳液やクリーム→ベーシックケアAZクリーム

▼ベーシックケアAZクリームについて詳しく見る

https://tokyoderm-online.com/shop/products/basiccareaz-cream

ベーシックケアAZ

ニキビや酒さの治療薬として使用されるアゼライン酸(15〜20%)よりも濃度を抑えて、毎日のスキンケアに使いやすい濃度を配合しています。

さらに、ナイアシンアミドとセラミドを配合。セラミドは保湿を高めるだけでなく、肌のバリア機能を整えて揺らぎにくい肌へ導きます。治療用のアゼライン酸と併用して使用することも可能です。

乳液タイプでべたつかず、化粧水なしでベーシックケアAZ単独でもご使用いただけます。

【使い方】

洗顔→化粧水→美容液→ベーシックケアAZ→治療薬

▼ベーシックケアAZについて詳しく見る

https://tokyoderm-online.com/shop/products/basiccareaz

ベーシックケアAZクリアローション

アゼライン酸誘導体*1 3%とナイアシンアミドによって、ニキビや酒さ、荒れがちな肌を整えます。天然保湿因子の構成成分である15種類のアミノ酸*2がうるおいをサポートし、肌に潤いを与え透明感のある肌へ導きます。さらっとしていて肌馴染みの良いローションタイプです。

【使い方】

洗顔→ベーシックケアAZクリアローション→美容液→乳液→治療薬

*1:アゼロイルジグリシンK *2:リシンHCl、グルタミン酸、グリシン、ロイシン、ヒスチジンHCl、セリン、バリン、アスパ ラギン酸Na、トレオニン、アラニン、イソロイシン、フェニルアラニン、アルギニン、プロリン、 チロシン

▼ベーシックケアAZクリアローションについて詳しく見る

https://tokyoderm-online.com/shop/products/basiccareaz-lotion

費用

ベーシックケアAZクリーム

通常購入3,300円(税込)

定期購入2,970円(税込)

ベーシックケアAZ

通常購入4,400円(税込)

定期購入3,960円(税込)

ベーシックケアAZクリアローション

通常購入4,400円(税込)

定期購入3,960円(税込)

よくある質問

アゼライン酸を使うとヒリヒリしませんか?

アゼライン酸の濃度が高いと使い始めにピリピリ感やそれに伴うかゆみなどの刺激を感じることがあります。刺激が気になる方は、以下のように使用量や頻度を調整してください。

・慣れるまでは少量を小範囲から使用する

・1日1回、または1日おきに使用するなど回数を調整する

使用してからボツボツや赤みが増した場合は、使用を中止し、皮膚科専門医にご相談ください。

ベーシックケアAZシリーズは治療薬と合わせて使えますか?

治療薬と一緒に使用できます。まずはベーシックケアAZシリーズで肌を整え、最後に治療薬をお使いください。現在お使いの治療薬とベーシックケアAZシリーズを併用できるか心配な方は、かかりつけの皮膚科専門医にご相談ください。

ニキビケアで悩んだら、ベーシックAZシリーズ

どの肌質の方にも使いやすい「ベーシックケアAZシリーズ」。ニキビは皮膚科で治療を受けることがおすすめですが、ニキビが気になる方の毎日のスキンケアとしてもおすすめです。ぜひ製品選びの参考にしてみてください。

野田先生写真

記事執筆ドクター

池袋駅前のだ皮膚科 院長

野田 真史

経歴

  • 2007年

    東京大学医学部医学科卒業

  • 2009年

    東京大学医学部附属病院初期研修修了

  • 2009年

    東京大学皮膚科に入局し、東京大学医学部附属病院

  • 2013年

    日本皮膚科学会認定皮膚科専門医取得

  • 2014年

    東京大学大学院医学系研究科卒業、医学博士
    米国ロックフェラー大学 Instructor in Clinical Investigation
    兼Associate Attending Physician
    ニューヨーク州医師免許を取得
    Master in translational science(MSc)取得

  • 2016年

    東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教

  • 2018年

    池袋駅前のだ皮膚科開院

資格

東京大学医学部医学科卒業 / 皮膚科専門医(日本皮膚科学会認定)/ 医学博士(東京大学大学院医学系研究科)/ ニューヨーク州医師免許 / ECFMG certificate(アメリカ医師国家試験合格証) / Master in translational science(米国ロックフェラー大学)/ 米国ロックフェラー大学皮膚科