ニキビ肌は保湿しても良い?皮膚科医が教える正しいスキンケアと、やってはいけないNG保湿

ニキビ肌は皮脂が多くいため、保湿は必要ないと思っていませんか?

実は、ニキビ肌こそ適切な保湿が欠かせません。乾燥が進むと皮脂が過剰に分泌され、毛穴詰まりや炎症の原因になることもあります。

本記事では、ニキビ肌に保湿が必要な理由、NGな保湿法、おすすめの成分まで皮膚科医が詳しく解説します。

ニキビ肌にこそ「保湿」が必要な3つの理由

ニキビ=皮脂が多いというイメージから保湿を控える方も少なくありません。、しかし、実際には、ニキビ肌こそ保湿はとても大切です。ここでは、保湿が必要な3つの理由について解説します。

1.乾燥はニキビを悪化させる

肌が乾燥すると水分の蒸発を防ごうとして皮脂の分泌が過剰になります。それにより毛穴詰まり(コメド)を起こしやすくなり、結果としてニキビができやすくなります。

また、皮脂と水分のバランスが崩れると、肌のバリア機能が低下しやすくなります。適切な保湿によって角質の水分保持機能を回復させることで、皮脂分泌を安定させ、ニキビの予防にもつながります。

2.角質肥厚毛穴がふさがる

乾燥した状態が続くと肌のバリア機能が低下し、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)が乱れます。その結果、不要な角質が肌表面に残り、角質層が厚くなったり(角質肥厚)毛穴がふさがれやすくなります。

また、角質肥厚は肌のごわつきやくすみにも関係しており、見た目の透明感の低下にも繋がります。保湿によって角質の水分量を高め、ターンオーバーを正常化することで、毛穴詰まりの発生を抑えることが報告されています。

3.バリア機能の低下が炎症を引き起こす

乾燥した状態は角質細胞間脂質が減少し、バリア機能が低下します。その結果、紫外線や摩擦、PM2.5などの外部刺激を受けやすくなり、炎症や赤みが起きやすくなります。

そのため、バリア機能を整える保湿ケアは、ニキビができにくくするためにも欠かせません。

ニキビ肌で避けたい4つのNG保湿

ニキビ肌で避けたいNG保湿は、以下の4つです。

1.油分の多いクリームやオイル

油分の多いクリームやオイルは、毛穴詰まりやベタつきの原因になることもあります。ノンコメドジェニックテスト済みの表記があるものを選ぶと安心です。

乾燥しやすい部分には重ね塗りをするなど、肌の状態に合わせて使用量を調整しましょう。

2.化粧水だけで終わる「だけ保湿」

化粧水だけでは水分が蒸発しやすく、うるおいを十分に保てません。乳液や保湿剤などで水分にフタをすることで、水分と油分をバランスよく補うことが推奨されています。

油分が少ないさっぱりとした使用感の保湿剤を選ぶと、ニキビ肌の方も快適に使用することが可能です。

3.ゴシゴシこする洗顔

ゴシゴシこすって洗顔すると角層を傷つけ、バリア機能を低下させることがあります。

過剰な洗顔は乾燥を進行させ、かえって皮脂の分泌を招くことも。

さらに、過度な摩擦は乾燥による肌荒れや、赤み・ひりつきといったトラブルの要因になる場合もあります。洗顔料はよく泡立てて、やや冷たく感じる程度のぬるま湯でやさしく洗いましょう。

4.アルコールなどの刺激成分

エタノールやメントールなどの成分は清涼感がある一方、乾燥や刺激を感じやすい肌には負担になることもあります。低刺激・アルコールフリー処方を選ぶとよいでしょう。

ニキビ肌の保湿基本ステップ

ニキビ肌の保湿の基本は、次の3ステップです。

1.洗顔後すぐに保湿する

洗顔後の肌は、角層の水分が失われやすい状態です。約5分で肌の水分量が急減するという報告もあります。洗顔後はできるだけ早めに保湿を行いましょう。

2.化粧水+乳液で水分と油分を補う

化粧水は肌に水分を与え、乳液やクリームは水分を逃さず保つ役割があります。どちらか一方だけでは保湿が不十分になることもあるため、水分と油分をバランスよく補うことが大切です。

皮脂が気になる場合も、油分を完全に避ける必要はありません。、ノンコメドジェニックテスト済みや軽い使用感のアイテムを選ぶと安心です。

3.肌にやさしくなじませる

保湿剤はたっぷり使えばよいというものではなく、製品ごとの適量を守ることがポイントです。清潔な手でやさしくなじませましょう。乾燥しやすい部分(目元・口元など)から先に塗ると、全体にムラなく仕上がります。

ニキビ肌におすすめの成分

ここでは、ニキビ肌の保湿ケアに適した成分について見ていきましょう。

うるおいを与える|セラミド・ヒアルロン酸

セラミドやヒアルロン酸は、角層の水分保持に欠かせない成分です。乾燥を防ぎ、バリア機能をサポートします。

とくに、セラミドは角質層の細胞間脂質の主成分として、肌のうるおいの保持に重要な成分です。ニキビ治療中の併用スキンケアとして使われることもあり、水分保持をサポートすると報告された研究もあります。[1]

皮脂バランスを整える|ナイアシンアミド・アゼライン酸

ナイアシンアミド(ビタミンB3)は、皮脂バランスを整える働きが期待されています。4%濃度の外用ゲルにより、軽〜中等度のニキビに対する有用性があると報告されている研究もあります。[2]

また、アゼライン酸は角質詰まりを防ぎ、肌をすこやかに保つ成分として知られています。ニキビや毛穴ケアへを目的とした製品にも広く配合されています。[3]

アゼライン酸については「アゼライン酸の効果とベーシックケアAZの魅力を紹介」でも詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にご覧ください。

ニキビ肌の保湿におすすめのベーシックケアAZ

「ベーシックケアAZ」は、ニキビ肌のために開発された保湿乳液です。肌荒れや皮脂バランスに配慮したアゼライン酸・ナイアシンアミドに加え、セラミド・ヒアルロン酸が不足しがちなうるおいを補い、肌のバリア機能を守るサポートをします。

毛穴詰まりや乾燥による肌荒れを防ぎながら、みずみずしく整った肌を保ちます。着色料・香料・アルコール不使用の低刺激処方で、敏感な肌の方にもやさしく使える点が特徴です。

ニキビを繰り返しやすい肌の保湿に、毎日のスキンケアとして取り入れやすいアイテムといえるでしょう。

ベーシックケアAZの価格

ベーシックケアAZの価格は、以下のとおりです。

 

ベーシックケアAZ

通常価格

定期購入

ベーシックケアAZ クリアローション 125ml

4,400円(税込)

3,960円(税込)

ベーシックケアAZ 乳液 60g

4,400円(税込)

3,960円(税込)

 

全国一律550円(税込)、5,000円(税込)以上で送料無料です。

ニキビ肌の保湿に関するよくある質問

ここでは、ニキビ肌の保湿に関してよく寄せられる質問に回答しました。

Q:保湿しすぎるとニキビは増えますか?

過剰な保湿で油分の多い製品を重ねすぎると、毛穴詰まりの原因になる場合があります。ただし、適切な保湿は皮脂分泌のバランスを整えるうえで重要です。

脂性肌でも、肌の内部の水分不足(インナードライ)による皮脂の分泌が増えることがあるため、水分補給を意識した保湿ケアが大切です。

Q:保湿だけでニキビは治りますか?

保湿により肌の状態が整い、毛穴の詰まりや炎症の悪化を防ぐサポートになる場合もあります。しかし、すでに炎症を伴うニキビがある場合は、保湿だけで完治させることは難しいです。症状が続く、繰り返す場合は早めに皮膚科専門医へ相談し、スキンケアと治療を併用したケアを検討しましょう。

ニキビ肌の保湿方法にお悩みの方へ

ニキビ肌の保湿は、肌のうるおいバランスを整え、すこやかな状態を保つための基本ケア。乾燥や過剰な皮脂による負担を減らすためにも、肌状態に合った成分を使用し、適量を守りましょう。

ニキビ肌のスキンケアで不安がある場合は、皮膚科医に相談してみてください。

【池袋駅前のだ皮膚科|野田真史 監修】

 

【参考文献】

 

[1]Del Rosso, J.Q. et al. Ceramide-Containing Adjunctive Skin Care for Skin Barrier Restoration During Acne Vulgaris Treatment. J Drugs Dermatol. 2023; 22(7 Suppl 2): s6–s10.

https://jddonline.com/articles/ceramide-containing-adjunctive-skin-care-for-skin-barrier-restoration-during-acne-vulgaris-treatment-S1545961623P0554X/

 

[2]Puviani, M., & Eisendle, K. Efficacy and Skin Microbiome Modulation Effects of a Fixed-Concentration Combination of Benzoyl Peroxide 4% Plus Niacinamide 4% in a Film-Forming Cream in Subjects with Mild-to-Moderate Acne: A Non-Sponsored, Prospective, Assessor-Blinded, Pilot Trial. Cosmetics. 2024; 11(1): 25.

https://www.mdpi.com/2079-9284/11/1/25

 

[3]Sauer, N., Oślizło, M., Brzostek, M., et al. The multiple uses of azelaic acid in dermatology: mechanism of action, preparations, and potential therapeutic applications. Adv Dermatol Allergol. 2023; 40(5): 716–724.

https://www.termedia.pl/The-multiple-uses-of-azelaic-acid-in-dermatology-mechanism-of-action-preparations-and-potential-therapeutic-applications,7,52122,0,1.html

野田先生写真

記事執筆ドクター

池袋駅前のだ皮膚科 院長

野田 真史

経歴

  • 2007年

    東京大学医学部医学科卒業

  • 2009年

    東京大学医学部附属病院初期研修修了

  • 2009年

    東京大学皮膚科に入局し、東京大学医学部附属病院

  • 2013年

    日本皮膚科学会認定皮膚科専門医取得

  • 2014年

    東京大学大学院医学系研究科卒業、医学博士
    米国ロックフェラー大学 Instructor in Clinical Investigation
    兼Associate Attending Physician
    ニューヨーク州医師免許を取得
    Master in translational science(MSc)取得

  • 2016年

    東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教

  • 2018年

    池袋駅前のだ皮膚科開院

資格

東京大学医学部医学科卒業 / 皮膚科専門医(日本皮膚科学会認定)/ 医学博士(東京大学大学院医学系研究科)/ ニューヨーク州医師免許 / ECFMG certificate(アメリカ医師国家試験合格証) / Master in translational science(米国ロックフェラー大学)/ 米国ロックフェラー大学皮膚科