テカリやベタつきが気になる脂性肌。だからといって過剰な洗顔や皮脂ケアをしていると、かえって乾燥や肌荒れを引き起こすこともあります。実は、皮脂の多さの裏には、インナードライ(乾燥型脂性肌)が隠れているケースも少なくありません。
この記事では、皮膚科医の知見をもとに、肌質の見極め方や脂性肌の正しいスキンケア方法、製品選びのポイントを解説します。
本当に脂性肌?スキンケア前に必要なインナードライとの見極め方
ここでは、スキンケアの前に必要なインナードライとの見極め方を見ていきましょう。
なぜ肌質の見極めが重要なのか?
肌がテカリやすいからといって、必ずしも脂性肌とは限りません。皮脂の分泌量は多いものの、角質層の水分が不足している状態は、「乾燥性脂性肌(いわゆるインナードライ肌)」の可能性があります。
インナードライは、水分不足によって肌のバリア機能が低下し、それを補おうとして皮脂が過剰に分泌されることで起こります。見た目のテカリだけで脂性肌と判断してしまうと、過剰な洗顔や皮脂ケアによって、かえって乾燥を悪化させることもあります。
まずは、自分の肌質を正しく見極めることが大切です。
肌質チェックリスト
肌質をセルフチェックしてみましょう。
インナードライ肌の特徴
以下に当てはまる方は、インナードライの可能性があります。
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肌はテカるのに、頬や口元がカサつく
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洗顔後につっぱり感がある
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毛穴の開きやメイク崩れが気になる
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肌がごわついていて、触ると硬い感じがある
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夕方になると肌がくすんで見える
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一部に皮ムケが見られる
脂性肌の特徴
インナードライと間違われやすい脂性肌の特徴は、以下のとおりです。
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肌にうるおいや弾力はあるが、脂っぽくベタつきやすい
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Tゾーンや頬の毛穴が開いて目立つ
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毛穴の黒ずみが気になる
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メイクが崩れやすい
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洗顔後すぐにテカリが出る
皮膚科医が教える正しい脂性肌の保湿方法
ここでは、正しい脂性肌の保湿方法を見ていきましょう。
脂性肌のスキンケアのポイント
脂性肌のスキンケアは、皮脂を落としすぎないこと、適切な保湿を行うことがポイントです。皮脂のベタつきが気になっても、洗浄力の強い洗顔料や過度な洗顔は、かえって皮脂分泌を促し、テカリを悪化させる原因になることがあります。
一方、ある研究では、低刺激な洗顔料は皮脂をよく落としつつ、角層内部のNMF(天然保湿因子)や細胞間脂質をほとんど奪わないと報告されています。[1]
皮脂バランスを整えるためには、やさしく洗顔し、しっかり保湿することが大切です。
朝のスキンケア
起床後は、寝ている間に分泌された皮脂や汗、肌に付着した汚れを落とすために洗顔しましょう。洗顔料はしっかり泡立て、Tゾーンなど皮脂分泌が多い部分からやさしく洗うのがポイントです。ゴシゴシこするのはNGです。
熱すぎるお湯を使うと皮脂を必要以上に奪い、冷たすぎる水は毛穴が閉じて汚れが落ちにくくなります。32〜34℃のぬるま湯で丁寧にすすぐのが理想的です。洗顔後はさっぱりタイプの化粧水で水分を補給し、油分の少ない乳液で保湿しましょう。
夜のスキンケア
夜は、日中のメイクや皮脂汚れを落とすため、クレンジングを行います。オイルタイプやバームタイプなどがおすすめです。肌をこすらず、適量をやさしくなじませて落とすことが大切です。
洗顔後は化粧水で水分を十分に補い、乳液で保湿を行います。皮脂が気になる部分には薄めに塗るなど、部分的に乳液の量を調節するのがポイントです。
脂性肌におすすめの成分とスキンケア製品の選び方
脂性肌のスキンケアは、水分不足を補いながら皮脂を落とし過ぎないことが重要です。洗顔後は、水分をしっかり補うことができる化粧水と、油分の少ない乳液や美容液でバランスよく保湿しましょう。化粧水はアルコール濃度が高すぎない保湿重視のタイプ、乳液や美容液は油分が控え目なタイプを選びましょう。
ナイアシンアミドは、皮脂分泌の抑制・保湿効果・バリア機能の改善だけでなく、ニキビや赤ら顔のケアなど多くの作用が報告されている成分です。ある研究では、皮脂バランスの調整をサポートする可能性が報告されています。[2]
アゼライン酸は皮脂分泌の抑制、角化の抑制、抗炎症作用をもつ成分です。研究では、角質の乱れや肌荒れに着目した成分として報告されています。
スキンケア製品を選ぶ際は、脂性肌用やノンコメドジェニックなどの表示や、実際の成分表示を参考に、自分の肌に合う製品を選びましょう。
脂性肌のためのスキンケア製品「ベーシックケアAZ」の紹介
ここでは、脂性肌のためのスキンケア製品「ベーシックケアAZ」について紹介します。
ベーシックケアAZの特徴
「ベーシックケアAZクリアローション」は、ナイアシンアミドやアゼライン酸誘導体を配合した化粧水です。皮脂が気になる肌をすこやかに整えます。
さらっとした使いごごちながら、天然保湿因子(NMF)を構成するアミノ酸を15種類配合し、うるおいをしっかり補います。
同シリーズの乳液「ベーシックケアAZ」には、ナイアシンアミド・アゼライン酸に加え、セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分も配合。脂性肌にも、なめらかになじみやすい設計です。
着色料・香料・シリコン・鉱物油・アルコールを含まない5つのフリー処方で、洗顔後の保湿ケアに取り入れやすいアイテムといえるでしょう。
ベーシックケアAZの価格
ベーシックケアAZの価格は、以下のとおりです。
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ベーシックケアAZ |
通常価格 |
定期購入 |
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ベーシックケアAZ クリアローション 125ml |
4,400円(税込) |
3,960円(税込) |
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ベーシックケアAZ 乳液 60g |
4,400円(税込) |
3,960円(税込) |
送料は全国一律550円(税込)、5,000円(税込)以上で送料無料です。
脂性肌の保湿に関するよくある質問
ここでは、脂性肌の保湿に関してよく寄せられる質問に回答しました。
Q1. オイリー肌には化粧水だけでいいですか?
化粧水単独では水分を保つ油分がないため蒸発しやすく、うるおいが逃げてしまうことがあります。ある研究では、スキンケア製品の水分量の変化を比較したところ、最も保湿力が低かったのは化粧水のみの場合だったと報告されています。[4]
乳液やジェルなど、油分が控えめで保湿力のある製品を上手に取り入れ、水分と油分のバランスを整えることが大切です。
Q2. 脂性肌には、乳液とクリームどちらがいいですか?
一般的に乳液はクリームより油分が少なめで、脂性肌の方に使いやすい保湿アイテムです。
ただし、乾燥しやすい季節やエアコンによる乾燥が気になる時期は、部分的にクリームを重ねるのもおすすめです。テクスチャの軽いタイプを選んだり、使用量を調整したりすることで、ベタつきを抑えながら肌のうるおいを保てます。
その日の肌状態や季節に合わせて、軽い使い心地のアイテムを選びましょう。
毎日の保湿で脂性肌をすこやかに整えましょう
脂性肌のスキンケアは、皮脂を落としすぎず適切に保湿することがポイントです。見た目のテカリに惑わされず、まずは肌の状態を正しく把握しましょう。
毎日の洗顔や保湿を見直すだけでも、肌のコンディションは変わります。肌質に合った製品を選び、バランスの取れたケアを心がけましょう。
【参考文献】
[1]Yokoi, A., Endo, K., Ozawa, T., Miyaki, M., Matsuo, K., Nozawa, K., Manabe, M., & Takagi, Y. (2014). A cleanser based on sodium laureth carboxylate and alkyl carboxylates washes facial sebum well but does not induce dry skin. Journal of Cosmetic Dermatology.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jocd.12118
[2]Pacheco. (2016). Niacinamide and Dermatology.
[3]Kumar et al. (2019). A comprehensive review of azelaic acid in dermatology.
https://www.eurekaselect.com/article/100644
[4]Liu, Y., Hua, W., Xiiong, L., & Li, L. (2016). Comparison of skin hydration in combination and single use of common moisturizers (cream, toner, and spray water). Journal of Cosmetic Science, 67(3), 175–183.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29394018/
記事執筆ドクター
池袋駅前のだ皮膚科 院長
野田 真史
経歴
2007年
東京大学医学部医学科卒業
2009年
東京大学医学部附属病院初期研修修了
2009年
東京大学皮膚科に入局し、東京大学医学部附属病院
2013年
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医取得
2014年
東京大学大学院医学系研究科卒業、医学博士
米国ロックフェラー大学 Instructor in Clinical Investigation
兼Associate Attending Physician
ニューヨーク州医師免許を取得
Master in translational science(MSc)取得2016年
東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教
2018年
池袋駅前のだ皮膚科開院
資格
東京大学医学部医学科卒業 / 皮膚科専門医(日本皮膚科学会認定)/ 医学博士(東京大学大学院医学系研究科)/ ニューヨーク州医師免許 / ECFMG certificate(アメリカ医師国家試験合格証) / Master in translational science(米国ロックフェラー大学)/ 米国ロックフェラー大学皮膚科